ブログやサイトをやっているものとして、今年(2017年)の大きな出来事の一つが、2017年12月6日にGoogleにより行われた健康・医療系記事のアップデート(大変動)です。
医療機関・病院・製薬会社・大手通販会社等の記事が検索上位に表示される一方、個人ブログの病気・健康系記事の検索順位は落ち、影響を受けた方も多いかと思います。
この件については、いろいろな人がいろんな見解の記事を書いているので、あまり細かいことは書きませんが、私も健康系の記事はそれなりに多く投入していたので、少なからず影響を受けました。
そして、1ヶ月近くたった今、どんな記事の順位が下がっていてどうなっているのか?また今後の方向性は?といったことについて個人的な見解を書いてみたいと思います。
検索順位が落ちた記事の傾向は?
今回のアップデートでは、医療情報として信頼性のない健康関連の記事の多くが検索順位を下げられました。
「信頼性」の基準は、私たちが明確に定義できるわけも知るわけもありませんが、医療機関でも製薬会社でもない個人ブログの健康系記事の多くが信頼性が低いと判断されたと言えます。
私のメインのブログでも、健康系記事が数十記事はあるので、そうした記事はかなり影響を受けました。
また影響を受けた記事の範囲を見てみると、病気や健康そのもののことだけでなく、病院・看護士といったキーワードが入っている雑学系の記事も影響を受けています。
少なくとも、
「病気名 原因」
「病気名 症状」
「病気名 治し方」
といった、キーワードの記事の検索順位はほとんどが大幅ダウンです。
GRCという検索順位チェックツールで、毎日順位の遷移はチェックはしているので、今回は一部その結果を踏まえた順位の状況などお伝えしようと思います。
具体的に検索結果の順位はどう変わった?
それでは具体的にGRCのGoogle検索結果も紹介しながら、いくつか私のメインブログでの順位遷移をお見せしたいと思います。
※さすがにキーワードは見せられませんので伏せます。
※検索結果の順位はGoogleだけに絞っています(Yahooもあまり変わらないので)。
キーワードごとの順位遷移
キーワード「(病気名) 症状」
この記事は1200文字程度しかありませんが、「病気名 症状」の2語だけで3位・4位の順位でした。
それが12/6に4位から12位に落ちて、その後更に更に順位を下げてます。Googleの微調整でさらに評価を下げられてしまいました。
この記事はロングテールでそれなりに稼いでいた記事なのでかなり痛かったです。
キーワード「(体の部位) (ある症状)」
この記事は病気ではないですが、多くの人が悩む体の生理現象関連のキーワードです。1500文字程度の記事です。
10位前後でしたが、12/6に21位に下がり、そのまま変わらずです。復活しませんね。
キーワード「(体の部位) (ある症状) 飲み物」
この記事は3語で安定の5位でしたが、12/6に7位に少しだけ下がり、その後上がったり下がったりを繰り返し安定しません。
ただ、いくつか別の複合キーワードでもアクセスを集めていたこともあり、複合キーワードによっては比較的影響が少なかった記事です。
キーワード「(夏に多い病気) (ある症状)」
12/6に検索順位1位から9位に下がり、その後は多少順位変動がありますが、ぎりぎり1ページに入っているという感じです。
夏に多い病気なので、今は影響少ないですが、夏場にダメージがきますね。何とか1ページに入っていますが、やはり1位が9位に下がるとアクセスダウンは大きくなるでしょう。
キーワード「(病院キーワード) (あるアイテム) 由来」
これは雑学記事なんですね。ただ病院のキーワードが入っているためか、もろ影響を受けました。
検索順位1位だったのが、何故かアップデートの1日前に12位に下げられ、それから一気に40位前後まで更に下がってしまいました。
それから順位の変動は激しいですが、1ページめには戻ってきそうにないです。
キーワード「(病気名)治し方」
ここまで、アップデート後にマイナスになったものばかりですが、実はほぼ影響が無かったキーワードもあります。
そのもの病気名の治し方の記事ですが、文字数も1500文字程度で多くないです。一つ順位を下げた感じですが、ほぼ影響が無かったと言えるでしょう。
実際、1ページ目の検索結果を見てみると、個人ブログは私のブログ含めて2つ、あとNaverまとめが一つ、大手キュレーションサイトが一つあり、それ以外は全て医療系機関の記事でした。
私のブログ記事内容はそれなりにわかりやすい内容ですが、特に信頼性が高い要素があるわけではないです。他の個人ブログも同じことが言えますね。
なぜ影響が少なかったのかを見てみると、一つ考えられるのが単純に医療系機関のライバルが弱かったというところでしょうか。
この対象になる病気の検索ボリュームはかなりあるので、ある意味穴場キーワードだったと言えるかもしれませんが、アップデートの影響がある無しの違いは、そうした相対的な要因だけのような気がします。
12月6日以降の順位遷移から見る傾向は?
GRCを使って、ほんの一部ですが、私のメインブログにおいての健康関連記事の順位遷移を見ていきました。
一部、影響が少ない記事もありますが、やはり健康・医療系の記事はほぼ検索順位ダウンの影響があったのは確かです。
12/6のGoogleアップデートから1ヶ月近く3週間経ちました。自分のブログだけでなく、他のブログの状況などもあわせて見てきましたが、傾向としては次の結果・あるいは仮説がたてられます。
- 12/6に大幅に落ちた記事の順位はほぼ上がっていない
- 12/6に順位を下げた記事が、その後さらに順位を下げている記事も多い
- 影響が少なかった記事は、この3週間の間もほとんど順位が変わらない
- 順位に影響が少ない記事は、比較的新しい記事よりも古い記事が多い
- 順位に影響が少ない記事は、相対的に医療機関のライバルが弱かったとも考えられる
- 直接病気や健康に関する記事でなくても、病院・看護士などのキーワードが入っている記事は影響を受けている
- 文字数は関係ない(文字数が多い記事でも落とされている)
- Googleの大本の方針は変わらない(信頼性が大きな目安だと思われるので、個人ブログは不利)
Google側では、12/6以降微調整しているとは思われるものの、信頼性を担保するといったそもそも(前提)の方針自体は変わっていません。
少なくとも私のブログの状況を見た限りでは、健康・医療系記事の検索順位はほぼ元に戻ってないという結果です。
今後の対策はどうする?
今回のGoogleアップデートの影響で、特に健康系の特化ブログを運営している方は収益が大きく下がった方もおられると思います。
私も今回のアップデートで健康関連記事についてはアクセスが50%減~60%減になっていて、この12月は収益にして10数万円下がると見込んでいます。
ただ、メインのブログは様々なテーマを投入しているブログなので、実はそれほど大きなダメージにはなっていません。
ある意味、ごちゃまぜのテーマを投入しているブログは、それだけで一つのリスク分散にもなっているわけで、メリットはありますね。
戦略的にカテゴリをしっかり設定していれば、特化型ブログを複数組み合わせた総合サイトのような位置づけになるわけです。単純に、特化型ブログが良くて、ごちゃまぜブログはダメ・・なんてことはないわけですよ。
健康・医療系テーマの記事は今後どうする?
とは言え、今後のことを考えてみると、健康・医療系のテーマの記事の新規投入は基本的に止めた方が良いです。
私のメインブログでも、影響が少なかった健康系の記事もありますが、それは比較的医療機関の信頼性のある記事が少ないといった相対的要素や、ブログパワーがあるといった要素も考えられるわけで、「こういう内容を書けば健康系記事でも上位表示できる」・・といったことは言えません。
というか、今のGoogleの方針からすると、健康・医療系の記事を書くのは、個人ブログにおいては前提からしてかなり不利です。
また、今後のGoogleの方針としても、YMYL(your money your life)系クエリに対して、更に信頼性を求めていくと言われています。
YMYLとはお金や生命、法律などにかかわるところ。病気・健康系以外にも今後同じような信頼性を目的とした大きなアップデートが行われる可能性はあります。
その影響がどこまで及ぶのかは、どんな記事を扱っているかにもよりますし、先のことはわかりません。ですが、どのようなかたちであれ、リスク分散を考えて行動していくことが大事ですね。
リスク分散も必要
リスク分散で言うと、例えば、
- 一つのブログの中でジャンルを広げていく
- 新しい特化型ブログを立ち上げる
- アドセンス以外のASPを使ったアフィリエイトに力を入れていく
- 他のビジネスもする
といったことがあげられます。
最初からあれもこれもやるのは良くないですが、メインの媒体が育ってきた方は、こうしたことについても意識して今後取り組んでいくことをおすすめします。
ブログのコンセプト設定
そして、もう一つ大事だと思うのが、ブログのコンセプトをはっきりと明確にすることです。
例えばあげてみると、
- 中学1年生にもわかりやすいように噛み砕いて情報を提供している
- 小さい子供がいる主婦のちょっとした悩みを解決するお手伝いしている
- 誰よりも早く季節に関する情報を提供している
- 日本の伝統を大切にしたい・知りたい方にわかりやすく情報を提供している
- ○○のジャンルについては豊富に役立ち情報がつまっている
- 情報の網羅性をしっかりとまとめて記載している
みたいな感じでしょうか。
(あくまで例ですよ)
何でもいいんですが、誰かに「どんなブログをやってるんですか?」と聞かれて、はっきりと明確にブログの運営方針を答えられるかどうかです。
それが、そのブログのコンセプトです。ユーザのターゲットを細かく具体的にすることでもコンセプトを設定する上では有効ですね。
ともかく、ブログのコンセプトがはっきりしていると、記事の情報の傾向にブレが無くなりますし、またそうした統一されたコンセプトの記事が増えてくれば自ずとブログ全体のネットにおける資産価値も上がってくるものだと思います。
特に記事ライターの外注さんを雇っているのであれば、なおさらコンセプトを明確にしておいて、それを伝えておくべきですね。
例えば、
- 中学生にもわかるように丁寧に解説している記事
- わかりやすさよりも情報の網羅性を重視した専門性の高い記事
といった外注さんによって納品記事の違いがあった場合。
どちらもしっかりと書かれていて内容が良ければOKなんですが、ブログ全体のコンセプトがなければ、この2種類の記事には統一性が無く、「どんなブログか?」というのがGoogleにはっきりと伝わらない可能性があります。
それによってブログ全体の評価に影響することも考えられますし、そうなれば記事の内容が良くても、思ったように評価が良くなくて上位表示しないかもしれません。
アドセンスブログって、以前は記事の一つ一つに検索でアクセスがくるので、ブログのコンセプトまで考えなくても大丈夫・・みたいな風潮もあった気がしますが、今はそんな時代じゃないですね。
どこにでもあるような、ネットに存在する価値が無いトレンドブログ、個人ブログになってはダメだということです。
自分なりの考えで良いので、そのブログがネット上に存在する価値・意義を熱く誰かに語れるくらいにコンセプトを考えてみて下さい。
そういう意味では特化型ブログはコンセプトが明確になりやすいとはいえますが、ごちゃまぜのテーマを投入しているブログでもコンセプト設定は十分可能です。
最強のSEOはやはりユーザファースト
今回12/6とそれ以降のGoogleアップデートについては、そのやり方や精度についていろいろ意見はあるかもしれません。
しかし、あくまでGoogle側としても、検索エンジンの利用価値を高めるためにもユーザの立場にたってこうしたアップデートを行っているわけです。
なので、どのようなジャンルであれ、ユーザファーストの意識をもって、ユーザに役立つ記事を提供することが最善のSEO対策ということは言えるのではないでしょうか。